今回は、15年前の2010年に購入した第1世代のiPadと、先日購入したiPad(A16)で、10項目をピックアップして比較してみたいと思います。
あらゆる面においてiPad(A16)の方が優れているのは間違いないところですが、発売から15年の時を経た、iPadの変化と進化に驚かれる方も多いかと思ます。
興味のある方は最後まで読んでみてください。なお、記事内ではiPad(A16)のことを便宜上「第11世代」もしくは「第11世代iPad」と表記しています。
1.外観・サイズ・重量の違い

まず、外観の違いですが、初代iPadは中央付近の丸みを帯びたフォルムが特徴です。 一方、第11世代iPadはフラットなデザインになり、 より洗練された印象を受けます。
項目 | 初代iPad | 第11世代iPad | 軽量化率 |
---|---|---|---|
サイズ | 242.8 × 189.7 × 13.4 mm | 248.6 × 179.5 × 7 mm | – |
重量(Wi-Fiモデル) | 約680g | 約477g | 約30% 軽量化 |
重量(セルラーモデル) | 約730g | 約481g | 約34% 軽量化 |
縦方向のサイズは初代に比べて若干長く、逆に横方向は少し短いため、正面から見るとスリムに見えます。驚いたのは厚みがほぼ半分になっている点で、初代iPadは中央が膨らんでいるデザインなのに対して、第11世代は1枚の薄い板といった感じです。
重さも第11世代の方が30%ほど軽くなっているため、15年間でかなり薄型・軽量化が進みました。
2.ディスプレイサイズ・解像度の違い

液晶サイズは9.7インチから11インチへと、1.3インチほど大きくなっています。にもかかわらず、本体の縦横寸法がほとんど変わらないのは、ベゼルのスリム化によるものです。
項目 | 初代iPad | 第11世代iPad | 進化のポイント |
---|---|---|---|
ディスプレイサイズ | 9.7インチ | 11インチ | ベゼル縮小で画面拡大 |
解像度 | 1024×768 ピクセル | 2360×1640 ピクセル | 高精細化 |
画素密度 (ppi) | 132 ppi | 264 ppi | 2倍の高精細化 |
ディスプレイ技術 | IPS LCD | Liquid Retina | 色再現・視認性向上 |
解像度も1024×768ピクセルから2360×1640ピクセルへと向上しており、画素密度は132ppiから264ppiへと実に2倍に高精細化しています。
とはいえ、初代iPadの画面表示も15年前に発売されたデバイスと言うことを考えると、結構きれいだと思います。

どちらのモデルともボディにガラスパネルをはめ込む構造を採用していますが、第11世代の方が枠の厚みが小さいため、ほぼ前面がガラス貼りのように見えます。このあたりは作り込みに時代の差を感じる部分です。
3. コネクター形状の違い

接続コネクターは、初代iPadが30ピンのDockコネクターだったのに対し、第11世代ではUSB Type-Cに変更されています。
DockコネクターはUSB Type-Cや第9世代まで搭載されていたLightningに比べると、かなり大きくかつ方向性もあったため、裏表を意識して挿入する必要がありました。
4.カメラの性能の違い

次にカメラ性能の違いを比較していきたいところですが、残念ながら初代iPadにはカメラは搭載されていませんでした。iPadにカメラが搭載されたのは第2世代のモデルからです。
項目 | 初代iPad | 第11世代iPad | 進化のポイント |
---|---|---|---|
背面カメラ | なし | 12MP | 4Kビデオ撮影 |
前面カメラ | なし | 12MP | センターフレーム対応 |
第11世代iPadは前後に12MPのカメラを内蔵しており、4Kビデオの撮影やセンターフレーム対応など、高解像度かつ高機能に進化しています。
5.ボタンの違い
ボタンの種類 | 初代iPad | 第11世代iPad |
---|---|---|
ホームボタン | あり | なし |
サイレントスイッチ(画面回転ロック・アンロック) | あり(側面) | なし |
音量ボタン | あり(側面) | あり(側面) |
電源ボタン | あり(上部) | あり(上部)Touch ID内蔵 |
初代iPadにはホームボタンとサイレントスイッチが搭載されていました。ホームボタンは第9世代のiPadまで採用されていたので、馴染のある方も多いと思います。

ホームボタンを2度押しをすることで画面下に起動しているアプリの一覧が表示でき、アプリを切り替えたり終了させたりできました。
サイレントスイッチはいわゆる消音スイッチです。設定の項目で画面の回転ロック・アンロック機能と入れ替えができました。

トップの電源ボタンと側面の音量ボタンはどちらにも搭載されていますが、第11世代の方は電源ボタンにTouch ID機能を内蔵している点が異なります。
初代iPadのホームボタンにはTouch IDの機能はなく、ロック解除には4桁の暗証番号入力が必要でした。とはいえ、FaceIDに慣れた身にはTouch IDですらちょっと面倒に感じてしまいます。
6.バッテリーの違い

バッテリー容量は初代の25Whから28.93Whに増えていますが、最大動作時間はともに10時間と違いはありません。
項目 | 初代iPad | 第11世代iPad |
---|---|---|
バッテリー容量 | 25Wh | 28.93Wh |
バッテリー種類 | リチウムイオンバッテリー | リチウムポリマーバッテリー |
駆動時間 | 最大10時間 | 最大10時間 |
ただし、バッテリーの種類がリチウムイオンから、燃えにくく安定性の高いリチウムポリマーに変わっているので、安全性は向上しているようです。
7.ワイヤレス接続機能の違い

Wi-FiはWi-Fi 4からWi-Fi 6規格対応へ、セルラー通信は3Gから5G対応へと大幅に高速化しました。初代iPadのセルラーモデルでは、nanoSIMより一回り大きいmicroSIMが使われていまたが、第11世代ではnanoSIMが廃止され、eSIMのみに変更されています。
項目 | 初代iPad | 第11世代iPad |
---|---|---|
Wi-Fi | Wi-Fi 4 (最大600Mbps) | Wi-Fi 6 (最大9.6Gbps) |
セルラー通信 | 3G対応 (microSIMカード) | 5G対応 (eSIMのみ) |
Bluetooth | Bluetooth 2.1 | Bluetooth 5.3 |
iPhone 4にもmicroSIMが採用されていましたが、2010年頃はよりサイズが大きい標準SIMが一般的でした。海外に渡航した際は、現地で調達したプリペイドの標準SIMカードを「シムカッター」というホッチキスのような工具でmicroSIMサイズにカットし装着していました。

8.プロセッサ・OS の違い
比較項目 | 初代iPad | 第11世代iPad |
---|---|---|
プロセッサ | Apple A4 (1GHz) | Apple A16 (5コアCPU/4コアGPU/16コアNeural Engine) |
最終対応OS | iOS 5.1.1 | iPadOS 18(発売時点) |
初代iPadには1GHzで駆動するAppleのA4チップが搭載されていました。第11世代にはA16チップが採用されており、5コアのCPUと4コアのGPUに加えて16コアのNeural Engineを搭載しているため、AI関連の処理を効率的に実行することが可能です。
ただし、第11世代iPadでもAppleIntelligenceには対応していません。ちょっと残念です。
OSの最終バージョンは初代がiOS 5.1.1で終了しています。OSのバージョンアップが止まって以降は、YouTubeなど多くのアプリが利用できなくなりました。

ちなみに、初代iPadは購入後本体をアクティベートするためにパソコンと接続する必要がありました。パソコンはMacでもWindowsPCでもよいのですが、今から考えるとめちゃめちゃ面倒です。
9.価格の違い
発売時期 | 製品 | 容量 | 発売価格 | 現在の為替で計算 | 為替レート |
---|---|---|---|---|---|
2010年 | 初代iPad | 16GB | 48,800円 | 約76,314円 | 1ドル94円 |
2025年 | 第11世代iPad | 128GB | 58,880円 | – | 1ドル147円 |
初代iPadの日本での発売価格を調べてみると、16GBストレージのWi-Fiモデルで48,800円だったようです。現在の為替レートで換算すると約76,300円になります。
第11世代iPadの128GBモデルが58,800円なことを考えると、コストパフォーマンスはかなり向上したと言えそうです。
10.純正ケースの違い

iPad本体ではありませんが、最後に純正ケースの違いを見てみましょう。初代iPad用のケースは、本体に被せるスリーブのような構造をしているのが特徴です。
購入時に装着してからそのままなので、かなりボロボロになっていますが、ボタンやコネクタの部分は操作ができるように、ちゃんと穴が開けられています。フラップを背面に差し込むことで、スタンドとしても機能しました。

一方、第11世代用のSmart FolioはマグネットでiPad背面に吸着する、今ではお馴染みのタイプです。ケースの脱着が名前の通りスマートにおこなえます。フラップを折りたためばスタンドとして利用することも可能です。

フラップの位置をずらすことで、画面の角度がシームレスに調節できるため、動画を視聴する際などに重宝しています。気になるところはiPad側面の保護ができないことくらいでしょうか。
まとめ

2010年に初代iPadが発表されたときは「あんな板状の薄いデバイスでWebサイトや動画が見られるなんて」と、とても興奮したことを覚えています。しかも、ほとんどの操作がタッチとスワイプだけでおこなえるのですから。
あれから15年が経ち、iPadの上位機種などは、携帯性はそのままに、高性能パソコンに匹敵するパワーを備えるようになりました。
今後も、iPadがどのような方向に進化していくのか、興味深く見続けていきたいと思います。