クラウドワークスで仕事をして納品しても、報酬がすぐに自分の口座に振り込まれるわけではありません。本記事では報酬の支払いタイミングや仕事の依頼形式など、覚えておきたい基礎知識やTipsを「共通編」と「Webライター編」に分けてご紹介します。
共通編
仕事の依頼形式は3種類
クラウドワークスで募集されている仕事の依頼形式は次の3つがあります。
- プロジェクト形式
- コンペ形式
- タスク形式
プロジェクト形式
プロジェクト形式は、特定の業務を契約し完了時に報酬を受け取る形式です。主に長期的な仕事や一度にまとまった作業を依頼する際に使われます。
ホームページ制作やWebライティングの案件などが該当し、納品物を確認してから報酬が支払われることが多いです。納品後に修正依頼が発生する場合もあります。
働いた時間に対して報酬が支払われる「時間単価制」と成果物に対して報酬が支払われる「固定報酬制」があります。Webライターの場合は多くのクライアントが固定報酬制を選択しており、文字単価で募集されています。
コンペ形式
コンペ形式は、デザインやネーミングなど、複数の提案を募集し、その中からクライアントが気に入ったものに報酬を支払う形式です。ロゴ作成・バナー作成・ネーミングといったデザイン系の仕事の募集でよく利用されます。
タスク形式
タスク形式は、比較的短時間で完了する仕事に多い形式です。仕事の例としてアンケート回答やレビュー/口コミの投稿などがあげられます。
報酬の支払いタイミングと出金方式
報酬の支払いタイミング
クライアントから所定の報酬が支払われても、すぐにワーカーの口座に入金されるわけではありません。あらかじめ設定した出金方式に基づき「15日締め・月末振込」もしくは「月末締め・翌月15日振込」のタイミングで振り込まれます。
出金方式
ワーカーが設定できる出金方式は以下の3種類があります。
- 随時出金方式(初期設定)
- 50,000円以上出金方式
- キャリーオーバー式
1.随時出金方式(初期設定)
- 締日時点の未出金報酬額が「1,000円以上」であれば半月後に振り込み
- 未出金報酬額が「1,000円未満」の場合、次回以降の支払いに繰り越されます
私はクラウドワークスに登録した当初から随時出金方式を利用しています。最初はたとえ少額でも報酬を得た感じを味わいたかったからです。
ただし、後で説明する振込手数料を差し引かれた額が振り込まれる点は留意しておきましょう。
2.50,000円以上出金方式
- 締日時点の未出金報酬額が「50,000円以上」であれば、半月後に振り込み
- 未出金報酬額が「50,000円未満」の場合、次回以降の支払いに繰り越されます
銀行口座に入金される際に振込手数料が発生するため、ある程度まとまった金額になってから振り込んで欲しい方におすすめです。
3.キャリーオーバー方式
- 未出金の報酬額に関わらず、自動的に次回以降に出金が繰り越されます
- 出金を行う場合、「随時出金方式」または「50,000円以上出金方式」に変更する必要があります
振込手数料
口座振込手数料は指定する金融機関により異なります。
- 楽天銀行:100円(税込)
- その他金融機関:500円(税込)
報酬額が少ない場合この差は大きいです。Webライターをはじめたきっかけでも書きましたが、クラウドワークスでの初めての報酬額は2千円強でした。
2千円くらいの報酬から500円も手数料を引かれたのではたまらないので、あわてて楽天銀行の口座を開設した記憶があります。
システム利用料
報酬からは差し引かれる手数料には、振込手数料以外にクラウドワークスのシステム利用料があります。システム利用料は契約金額によって異なリます。
- 「10万円以下」の部分:契約金額の20%
- 「10万円超20万円以下」の部分:契約金額の10%
- 「20万円超」の部分:契約金額の5%
報酬額が大きいほど、支払う利用料の占める割合が減る料金体系であることが分かります。
① 10万円の場合:100,000×20%=20,000円 【20%】
② 20万円の場合:(100,000×20%)+(100,000×10%)=30,000円【15%】
源泉徴収税
クライアントがWebライターへ原稿料を支払う際には、所得税を源泉徴収するのが一般的です。Webライターの場合は、報酬額から所得税が引かれることも覚えておきましょう。
所得税の源泉徴収については、後の確定申告の項目でもう少し詳しく解説します。
マイルストーン払いという支払い方法もある
クラウドワークスには「マイルストーン払い」サービスに対応しているクライアントもあります。システム利用料が1件の契約に対して支払った総契約額で算出されるのが特徴です。
下の表はマイルストーン払いの例です。通常であれば毎回20%のシステム利用料がかかるはずですが、3回目は総額10万円を超える3万円分についてのみ10%が適用されていることが分かります。
契約金額(税込) | システム利用料(税込) | 内訳 | |
マイルストーン1回目 | 50,000円 | 11,000円 | 50,000円×20%+消費税 |
マイルストーン2回目 | 30,000円 | 6,600円 | 30,000円×20%+消費税 |
マイルストーン3回目 | 50,000円 | 7,700円 | 20,000円×20%+30,000円×10%+消費税 |
総額 | 130,000円 | 25,300円 |
私が契約しているクライアントもマイルストーン払いに対応しているため、契約月→翌月→翌々月とシステム利用料(率)が下がっていきます。(もちろん限度はありますが)
通常の支払い方法と比べると、報酬から差し引かれるシステム利用料が少なく済みます。募集ページに記載があるはずなので、仕事を探す際にあわせて確認してみましょう。
※なお、記載情報は記事執筆時点のものです。最新の情報はクラウドワークスの公式サイトをチェックしてみて下さい。
副業でも所得が20万円を超えたら確定申告が必要
働き方の多様化により副業を認めている会社が多くなっていると思います。副業によって20万円以上の所得を得た場合には、本業の勤務先での年末調整とは別に、個人で確定申告を行う必要があるので覚えておきましょう。
私は10年以上前に会社を辞めてからずっと個人事業主をやっているので、毎年確定申告を自分でおこなっています。青色申告を選択していますが、青色申告特別控除が受けれるなどのメリットがあります。
青色申告をするには事前に税務署への申請が必要なほか、複式簿記での記帳も要求されるので素人には大変です。ただ、青色申告ソフトを利用すれば簿記や会計の知識がなくても比較的簡単に青色申告ができます。
ちなみに、私が使っているのは「やよいの青色申告オンライン」というサービスです。ブラウザ上で動作するためパソコンのOSに依存しないのと、データがクラウド上に保存される点が気に入っています。
最初の1年間は無料で使えるので、気になる方は一度試してみてはいかがでしょうか。
Webライターの報酬は源泉徴収される
国税庁のサイトにはWebライターの報酬など、原稿料を支払う際には「10.21%の所得税(および復興特別所得税)を源泉徴収しなければならない」ことが記載されています。
先に解説したシステム利用料や振込手数料以外に、報酬からは所得税が差し引かれることも覚えておきましょう。確定申告の際に源泉徴収税額を記入しておくと、一部もしくは全額が還付されるケースもあります。
Webライター編
納品記事の控えは残しておこう
納品した記事について、クライアントから誤りの指摘や修正依頼のくることがあります。納品記事の控えを残しておくと、クライアントの指摘が適切か確認することが可能です。
頻繁に発生することではありませんが、クライアントの勘違いで記事修正の依頼を受けた経験がありました。すぐに控えをチェックし申し入れたところ、先方の誤りであることが判明し事なきを得ました。
控えを残す方法は何でもよいですが、私の場合はEvernoteやNotionといったノートアプリを活用しています。
フィードバックを活用してスキルアップ
クライアントのなかには納品記事に対してフィードバックを返してくれるところもあります。クライアントからのフィードバックはスキルアップのチャンスです。
修正指示は別として、日本語の使い方、トンマナ、文章の順番などについてアドバイスがもらえるため、うまく活用することでWebライターのスキルの向上が図れます。アドバイスの内容はノートやメモアプリなどに記録し、次の執筆作業に活かしてみて下さい。
トンマナとは「トーン&マナー」のことで、複数のライターが執筆してもブランドイメージが統一できるようにするためのガイドラインのようなものです。
手軽に執筆記事の確認ができるGoogleドキュメント
記事を書いたら納品前の再確認は必須です。Googleドキュメントの「スペルと文法のチェック」機能を使えば、文章のおかしな部分をハイライトし変更候補を提示してくれます。
執筆した本人以外の目で確認できるのがポイントです。もちろん、誤字脱字を含めすべてをチェックできるわけではありませんので、最終自分でもう一度読んでチェックしましょう。
「⌘+Shift+C」のショートカットで文字数をカウントすることも可能です。項目ごとに文字数が決められているケースが多いので、この機能も重宝します。しかも、無料で使えるのでおすすめです。
納品や報酬管理はGoogleスプレットシートが便利
私は毎月の報酬額を管理するのに、Googleスプレットシートを利用しています。納品した記事の文字数を入力することで合計額が計算されるような表を作成しています。
クライアントが管理している金額との照合が容易なので、万が一漏れがあった場合は、すぐに連絡し確認することが可能です。
まとめ
クライドワークスで仕事をする際に知っておきたい基礎知識や、覚えておくと便利なTipsについてご紹介しました。クラウドワークスをはじめようと考えている方にとって、少しでもお役に立つ情報があったなら幸いです。